遠い手紙

どうせわたしはだめだから

自分にずっと 言い聞かせ

散って行った時間

去って行ったひと

よりかかって歩けなくなっていたんだ

 

誰かに期待もしないくせ

誰かに期待を求めても

作り笑いひとつ

目と目をふたつ

合わせられなくなっていた

 

折れた傘と穴が空いたサンダル

食べずに残した冷蔵庫の晩御飯

自分の体重だけがのしかかる身体で

狭いひとりのこの部屋から

 

「おはよう」が好きなひと

「おやすみ」が欲しいぼく

ねむれない森をこえた太陽

星座と別れ また宙を燃やす

 

旅の途中のきみだから

流れ星にはならないでくれ

帰り眠る家が見つかるまで

手紙をこめた紙飛行機

心の空 風になりとんでゆくわ